奇
獄小説に読む人の胸のみ傷めむとする世に、一巻の穉物語を著す。
支倉は彼が庄司氏に捕われて
獄に送られ断罪まで十年の間に、庄司氏に当て呪の手紙を書き続けた。
獄をいでて侘居しをれば訪ねくる人のこゝろはさまざまなりき
文政年間、菅田村の神主二宮和泉、その神陵確認を訴へ出て、当局の忌避に触れ、その志を継いだ矢野五郎兵衛なる者は、却つて
獄に投ぜられた事実がある。
もしこの
獄室を我生涯の第二期とするを得ば、我は慥かに其一期を持ちしなり。
幸にして大坂の事ありてより消息絶えて久しき蒼海も、
獄を出でゝ近里に棲めば、書を飛ばして三個同遊せんことを慫むるに、来月まで待つべしとの来書なり。
雲飛の妻は早速子と相談し石を某權官に獻じたところ、雲飛は間もなく
獄を出された。
この奥の一間には鉄柵の扉がついていて、中には両便のために小桶が二つおいてあるなど、すでに多少の
獄味を示している。