窓は北側にあって二枚の硝子戸がはめられ、その外側には
鉄格子がつけられてあります。
彼は唯ぢつと両膝をかかへ、時々窓の外へ目をやりながら、(
鉄格子をはめた窓の外には枯れ葉さへ見えない樫の木が一本、雪曇りの空に枝を張つてゐた。
入口の扉はこっちからはどうしても開かなかったし、また窓という窓には厳重な
鉄格子が嵌っていた。
正面やゝ高きところに
鉄格子をはめたスリ硝子の小窓。
それは猫力というやつであったが、彼はこの猫力でもって、いずれ近いうちにめでたく、怪賊烏啼めを刑務所の
鉄格子の中に第二封鎖せんことを期しているのだった。
あすこの
鉄格子のあちら側には即ち必要以上に考え深い人達が、その考え深いという性質や容貌を認められて、幸福な保護を受けているわけなのである。
午後の陽ざしが、ただ一つ西側にあいた窓から入ってきて、破れたリノリウムの上に、
鉄格子の影をおとしている。
彼はただじっと両膝をかかえ、時々窓の外へ目をやりながら、(
鉄格子をはめた窓の外には枯れ葉さえ見えない樫の木が一本、雪曇りの空に枝を張っていた。
それから廊下に接した南側には、殺風景な
鉄格子の西洋窓の前に大きな紫檀の机を据ゑて、その上に硯や筆立てが、紙絹の類や法帖と一しよに、存外行儀よく並べてある。