おたきの与へる食事ほど物質的な食ひ物を、
刑務所の弁当を外にしては想像することができなかつた、誰の世話になるといふひけめもいらない。
それは猫力というやつであったが、彼はこの猫力でもって、いずれ近いうちにめでたく、怪賊烏啼めを
刑務所の鉄格子の中に第二封鎖せんことを期しているのだった。
そのわけは、彼の只一人の愛すべき、義弟が、満期になって
刑務所から出て来たことだった。
いつまで待っても——僕の
刑務所の門をくぐったのはかれこれ十時になりかかっていた。
お君は
刑務所からの帰りに、何度も何度も考えた——うまい乳が出なかったら、よろしい! 彼奴等に対する「憎悪」でこの赤ん坊を育て上げてやるんだ、と。
何べんも間誤つき、何べんも調らべられ、ようやくのことで裁判所から許可証を貰い、
刑務所へやってきた。
娘は次の日から又居なくなり、そして今度という今度は
刑務所の方へ廻ってしまったのでした。
彼が電話をかけるところは、男囚二千七百名を収容している○○
刑務所の附属病院であった。
彼は巻煙草を銜へながら、(それは彼が同志と一しよに
刑務所を出た三日目だつた。
そうして、大都市に近いこの町の、高い丘の上にある、新築後間もない
刑務所に着いたのはもうその日の夕方近くであった。