ある晩、奈良原部落の全住民集つて大宴会がひらかれたが、その晩、昆虫親爺の乱酔たるや甚だしく、総理大臣を飛び越して、俺は奈良原の
王様だと威張りだした。
驚いて見てゐた
王様に娘は「
王様、私は決して悪い病気にかかつたのではありません。
そうだけれども、
王様だけれども、雨が降るからねえ、びしょぬれになって、可哀相だったよ。
そうだけれども、
王様だけれども、雨が降るからねえ、びしょぬれになって、可哀相だったよ。
やがて三人は眼もまばゆい大広間に来ると、
王様を真中に、姉さんは右に、花子さんは左に腰をかけました。
天子さまの御命令を少しも聞かないばかりでなく、都からさし向けてある役人を攻めて斬り殺したり、人民の物をかすめて、まるで
王様のような勢いをふるっておりました。
さうだけれども、
王様だけれども、雨が降るからねえ、びしよぬれになつて、可哀想だつたよ。
さうだけれども、
王様だけれども、雨が降るからねえ、びしよぬれになつて、可哀想だつたよ。