我国で大人物といへば茫洋として掴まへどころのない人間といふことを不可欠の条件とし、即ち性格的な非論理性を
珍重する。
裸にさせ、褌もとらせて、手でなでまはして、やうやく納得、大いに
珍重して本能寺の変に至るまでお茶坊主代りに使つたといふが、万事がこのやり方であつた。
また利休居士の
珍重していた「赤がしら」と称える水さしも、それを贈った連歌師の本名は、甚内とか云ったと聞いています。
萩薄我が庭に生ふれど、我は在来の詩人の如く是等の草花を
珍重すること能はず。
若し将来、西洋人が日本の文芸を
珍重するとすれば、東洋的の文芸を
珍重するだらう。
然し、室生君は、さだめしこの室生君自身の干物を
珍重して食べることだらう。
うづは尊貴であつて、
珍重せられるものゝ義を含む語根であるが、まれは數量・度數に於て、更に少いことを示す同義語である。