それを書くには今尚私の心の
痛みがたえられそうもない気がする。
原子バクダンで百万人一瞬にたゝきつぶしたって、たった一人の歯の
痛みがとまらなきゃ、なにが文明だい。
医師に診てもらってモヒでも注射してもらうとすぐ
痛みがとまると思ったが、今は新聞小説を書いていて、一日一回ずつギリギリに送っているのである。
すると一人は「難有い仕合せ、幸い傷は
痛みませぬ」と答えた。
繰返して云うが、何小二は馬の背に揺られながら、創の
痛みで唸っていた。
度重なるうち、下腹が引きつるような
痛みに驚いたが、お婆は脱腸の気だとは感付かなかった。
これを聞いた朋輩の陳山茶は、
痛みを止めるのに好いと云つて、鴉片酒を飲む事を教へてくれた。
妙なところだなと思っていると、何だか俺のからだの節々が
痛み出して来た。
眼のなくなった眼窩はいかにも恐ろしい様子をしてはいたが、もう
痛みは少しもないようだった。