皮膚の色が並はづれて黒い上に、髪や鬚の縮れてゐる所を見ると、どうも葱嶺の西からでも来た人間らしい。
そこに距離の間隔はあれども無きが如く、翁の擬して撫で来る指の腹に地平の林は
皮膚のうぶ毛のように触れられた。
いはゆる、「南方進出」を志す徒輩の一見壮んなる意気よりも、私は、彼の
皮膚と血液が物語る「南国のにほひ」をこの上もなく貴いものと思ふ。
皮膚は一体に光沢を失って、目のまわりにはうす黒く暈のようなものが輪どっている。
支那兵は生前、金にも食物にも被服にもめぐまれなかった有様を、栄養不良の
皮膚と、ちぎれた、ボロボロの中山服に残して横たわっていた。
痩せぎすであったけれども顔は丸い方で、透き徹るほど白い
皮膚に紅味をおんだ、誠に光沢の好い児であった。
が、黒い垢すりの甲斐絹が何度となく上をこすつても、脂気の抜けた、小皺の多い
皮膚からは、垢と云ふ程の垢も出て来ない。
さうして驚き易い私の
皮膚と靈はつねに螽斯の薄い四肢のやうに新しい發見の前に喜び顫へた。
が、黒い垢すりの甲斐絹が何度となく上をこすっても、脂気の抜けた、小皺の多い
皮膚からは、垢というほどの垢も出て来ない。