いはゆる、「南方進出」を志す徒輩の一見壮んなる意気よりも、私は、彼の皮
膚と血液が物語る「南国のにほひ」をこの上もなく貴いものと思ふ。
支那兵は生前、金にも食物にも被服にもめぐまれなかった有様を、栄養不良の皮
膚と、ちぎれた、ボロボロの中山服に残して横たわっていた。
女中といつても、北陸道の越後、ここの荘内、酒田から羽後の海岸一帯にかけて、女の顔容とその
膚とが特に美しい。
想うに渠が雪のごとき
膚には、剳青淋漓として、悪竜焔を吐くにあらざれば、寡なくも、その左の腕には、双枕に偕老の名や刻みたるべし。
さうして驚き易い私の皮
膚と靈はつねに螽斯の薄い四肢のやうに新しい發見の前に喜び顫へた。
砂の上にも水の中にも、露はな海水着姿の男女が、
膚と膚と觸れ合はんばかしにして、自由に戲れ遊んでゐる。
その緑が縦にMの字の形をしてとぎれとぎれに山
膚を縫ったのが、なんとなく荒涼とした思いを起させる。
……こんなのこそ、
膚と云ふより、不躾ながら肉と言はう。
……こんなのこそ、
膚と云ふより、不躾ながら肉と言はう。