南球五万哩余程、沐雨梳風嘆独行、帰入旧廬有
相識、一窓梅月照寒更。
それが二人の
相識る機会となり、グレージーは女と宝石とにぞっこん惚れこんで、彼女の宝石をどしどし買い込んだのである。
私も、その少し前に故国の土を踏んだのだが、岩田と私とはほとんど同じ時代にフランスの芝居を勉強しに行つたのに、遂にそれまで
相識る機会はなかつた。
そしてわずか一と月ほどの間に、あの療養地のN海岸で偶然にも、K君と
相識ったというような、一面識もない私にお手紙をくださるようになったのだと思います。
若し卿等にして、予が二十年来の
相識たるを想起せんか。
かういふ風に、舊
相識の書の復習を樂しんでゐる私には、漠としたものだが、心を掠めるどいるに對する感謝の心がある。
のち、直接山中の人間と
相識るにおよんでその人間とその作品とを比較検討するに、どうも作品のほうが大分人間に敗けているように思われてならない。
されど瑞村と余とは香峰を介して人物性行を傳聞せしのみにて、未だ
相識らざりしなり。