然るに、不思議のことは、孔子の名さえ知らない右筆を使つた時の政治より、万能膏の
秘書官を使ふ時の政治が、格別優つても居ないといふ事だ。
東京といつても「お広うござんす」こといふまでもなく、これをたゞ文献の上だけから探るとすれば、ペリー提督の
秘書官にもよく江戸通志は机の上から書けるわけだらう。
然らざればヂニアスは真個の狂人のみ、靴屋にもなれず、
秘書官にもなれぬ白痴のみ。
真の友情にとっては依然として薄弱すぎる人物だから〔原注——ツメスカルのことか? 彼はヴィーンの宮廷
秘書官であった。