お君は左の手のひらにひと掴みの米をのせて来て、右の指さきで一
粒ずつ摘みながら箱の穴のなかへ丁寧におとしてやると、青い蛇の頭が又あらわれた。
私は惜い事と思いましたが、一
粒飲みますと見る間に一年分だけ若返りました。
トムさんは大変お嫁さんを可愛がつて一
粒の豆でも仲善く半分頒合つて食べる程でしたから、お嫁さんも大変満足して居たのでした。
「一
粒の芥子種」「夜の浪」「淋しい二人」などがそれである。
あまつさへ、
粒太の雨滴をさんらんと冠つてその生彩が私の息をひかしめた。
障子を隈なく明け放した座敷に悠々と流れ入つた朝陽の色が疊一ぱいに擴がつて床の大花瓶に插されてあつた眞赤な南天の實が冴え冴えと一
粒一
粒ひかつた。
「ひどくまとまって
粒がちっちゃいが、まさかおもちゃじゃあるまいね」
路上のどんな小さな石
粒も一つ一つ影を持っていて、見ていると、それがみな埃及のピラミッドのような巨大な悲しみを浮かべている。
さうして細い金属の箸で、青い花の描いてある手のひら程の茶碗から、米
粒を挾んで食べてゐるのであらうか。
震災前、即ち改築前の大學の庭には此草が毎年繁茂して、五月なかばには紅緑の
粒を雜へた可憐な花の穗が夕映のくさむらに目立つた。