幾多の祖先
精霊をとまどひさせた明治の御代の伴大納言殿は、見飽きる程見て来た。
精霊・わき・ともと、それ/″\区別して、棚を拵へることもする。
だからもとは、まぶいは守護霊魂が
精霊の火を現したのが、次第に変化して、霊魂そのものまでも、たまと言ふ日本語であらはす事になつたのであらう。
この話は、河童が、海の彼岸から来る尊い水の神の信仰に、土地々々の水の
精霊の要素を交へて来たことを基礎として、綴つたのである。
人間であつた事も勿論あるが、ある国・ある家の神事に出る
精霊役は、人形である事もあり、又鏡・瓢などを顔とした、仮りの偶人である事もあつた。
「ジンなどという
精霊があると思ったのは、もう何百年も昔のことです。
——だが、それにしても、この
精霊だなはちっと小さすぎるかな」
前捜査局長で目下一流の刑事弁護士である法水麟太郎は、招かれた
精霊の去る日に、新しい
精霊が何故去ったか——を突き究めねばならなかった。