そしてなぜ愛されてゐるかといふと、この犯人は元来金が欲しかつたわけではないので、
純一に少女を愛しいたはつてをり、そのために己れを犠牲にしてゐる。
重い本を棚から下しますのも、精霊の名を連ねた大きな画巻を其隅から擡げますのも、其間は
純一な敬虔な心になつて居りますのも、亦皆私の勤でございます。
真に、最も親しき者に対してすら、
純一ならざるものが、他の何人に対して、よく
純一であり得ましょうか。
大宇宙に
純一なるコンシステンシイあるは、流星の時に地上に乱堕するを以て疑ふに足らざるなり。
徹頭徹尾
純一にして無雑な態度を守り得たことはこの書が若き人々に広く読まれるに際しての私のひとつの安心である。
不易にして而も不定、複雜にして而も
純一なる現在のみが有る。