さらに、奥利根沼田から贈って貰った
醇酒で小盃を傾け、わが舌に吟味を問えば、なんとも答えず、ただ舌根を痙攣させるのみ。
さうしてその幽かな哀調の色に執し過ぎて些かだにその至
醇なる謙譲の美徳を傷つくるな。
茫々乎たる空際は歴史の
醇の
醇なるもの、ホーマーありし時、プレトーありし時、彼の北斗は今と同じき光芒を放てり。
私かにおもふに、全篇晶潔透明の趣なく、雅
醇のむねに欠くるところありと雖も、こは恐らく泣菫氏が敢てなさざる末技なるべきか。
今のごとくにして彼と此とを一列に措くが慣ひとしもなりなば、啻に詩風の
醇なるべきを※すの惧あるのみならず、悪趣味を布くの媒たらざらんや。