とただ云ったばかり、
素気なく口を引結んで、真直に立っている。
丁度この話の始まる日も、晩秋の高原一帯に風速十メートル内外の大西風が吹き始めたから、雇人たちは、
素破こそとばかり、恐怖の色を浮べた。
その上又例の「彼女の心」! 実際我我の愛する女性は古往今来飽き飽きする程、
素ばらしい心の持ち主である。
と同時にまっ白な、光沢のある無数の糸が、半ばその
素枯れた莟をからんで、だんだん枝の先へまつわり出した。
「うぬッ、きさまわスのあスを踏んだなッ、武スを武スとも思わない
素町人、その分にはおかんぞッ」
はかま、大小、
素はだしに髪は乱れて、そのはかまも横にゆがみながら、なにかあわてふためいて必死とここへ駆けつけてきたらしい様子が見えるのです。
そうしてその庁堂の
素壁へ、一幀の画幅を懸けさせました。
卿等にして若しこの遺書を読むの後、猶卿等の故人たる予の記憶に対し、一片憐憫の情を動す事ありとせんか、そは
素より予にとりて、望外の大幸なり。
で、灰の白いのにしがみついて、何しろ暖かいものでお銚子をと云うと、板前で火を引いてしまいました、なんにも出来ませんと、女中の
素気なさ。
要するに櫻の下に行交ふ女が黒つぽいと言つて、
素人らしくないといふ意味では決してない。