微塵棒を縦にして、前歯でへし折って噛りながら、
縁台の前へにょっきりと、吹矢が当って出たような福助頭に向う顱巻。
身を起して背向になったが、庖丁を取出すでもなく、
縁台の彼方の三畳ばかりの住居へ戻って、薄い座蒲団の傍に、散ばったように差置いた、煙草の箱と長煙管。
縁台を庭に持出して、其に客を居させて、大抵の応待は、其処ですましてしまふ。
往来する人々も
縁台に涼んでゐる人々も、月に照らされておの/\濃い影ぼうをば引摺つてゐた。
とても早くは寝られないので、どこの店さきも何処の
縁台も涼みながらの話し声で賑わっていた。
あるときは、
縁台の上に置き忘れられたり、また冷たい石の上や、窓さきに置かれたままでいたことがありました。