これ迄は自宅で療養してゐたが、この時は父が死亡して
落魄の折だから三等患者として入院し、更に又公費患者に移されてゐた。
吁、当年豪雄の戦士、官軍を悩まし奥州の気運を支へたりし快男子、今は即ち
落魄して主従唯だ二個、異境に彷徨して漁童の嘲罵に遭ふ。
即ち同年(明治二十九年)三月發行の「文學界」は上田柳村氏の草した、この
落魄の詩人を紹介する記文を載せてゐる。
日に焼けて、茶色になって、汗のすこし流れた其痛々敷い額の上には、たしかに
落魄という烙印が押しあててあった。
第一には何故正しく、名分あるものが
落魄して、不義にして、名正しからざるものが栄えて権をとるかということであった。