社会の既成観念に囚はるることなく、自在に独創を発揮し、ひたすらライフに真実ならんと努力する芸術的天才は常に惨憺
零落の生涯を送る。
私どもの考へでは、今が稲むら生活の
零落の底では無いか、と思はれる。
主人は地方の
零落した旧家の三男で、学途には就いたものの、学費の半以上は自分で都合しなければならなかった。
零落した伯爵の今の身にとって、この名画は、唯一の宝でもあったし、また最高の慰めでもあったのだ。
二つには
零落した士族に対する同情も幾分か手伝って、おすまの荒物店は相当に繁昌した。
夫が其の家の
零落から人手に渡り、今度再び売り物に出たのだから、叔父は兎も角も同姓の旧情を忘れ兼ね、自分の住居として子孫代々に伝えると云う気に成ったのだ。
田地が銅毒に侵されてからの一家の
零落、肉身の離散を老人や婦人が田舎の飾なき言葉で語る。
零落不平素志を達せずして終に道徳上世に容れられざる人となることもあるべし。
いかにかれは
零落するとも、都の巷に白馬を命として埃芥のように沈澱してしまう人ではなかった。