三町は
蓋し遠い道ではないが、身体も精神も共に太く疲れて居たからで。
蓋し氷河期の災禍は世界の有する工業力とは桁ちがいに激甚なのである。
蓋し鮎鰯鰰等の字と同じく我が邦人の製にかゝるものにて、喜の字にきすのきの音あるに縁りて以て創め作りしなるべし。
京の祇園豆腐も
蓋し其の水の佳なるによつて名を得るなり。
蓋し著者は詩境と人境との区別あるを知つて、之を実行するに当ツては終に区別あるを忘れたる者なり。
憚りなく直言すれば、婚姻は
蓋し愛を拷問して我に従はしめむとする、卑怯なる手段のみ。
蓋し当時某藩に起りたる御家騒動に基き、之を潤飾敷衍せしものにて、其人名等の世に知られざるは、憚る所あって故らに仮設せるに因るならん、読者以て如何とす。
然れどもこれを作詩の中心とし本義として故らに標榜する処あるは、
蓋し二十年来の仏蘭西新詩を以て嚆矢とす。
蓋し薄弱なる人間は、如何なる場合にも多くは己を恃む能はざるものなるが、其の最も不安心と感ずるは海上ならむ。