もとより、溝板の
蓋があるから、ものの形は見えぬけれども、優い連弾はまさしくその中。
旅僧も私と同じくその鮨を求めたのであるが、
蓋を開けると、ばらばらと海苔が懸った、五目飯の下等なので。
僕は大急ぎで両手で
蓋をしたけれども、婆やはかまわずに少しばかり石を拾って婆やの坐っている所に持っていってしまった。
それから
蓋の上に卍を書き、さらにまた矢の根を伏せた後、こう家康に返事をした。
その早桶の
蓋をあけると、三十前後の男の死骸があらわれました。
「紋」は、つい近ごろ、他家の台所で魚を盗んだり、お櫃の
蓋を鼻さきで突き落して飯を食ったりすることを覚えた。
狭い板の間を塞いだ竈、
蓋のない水瓶の水光り、荒神の松、引き窓の綱、——そんな物も順々に見えるやうになつた。