のみならず大小さまざまの譜本もかすかに色づいた藜の中に桃色、水色、薄黄色などの横文字の
表紙を濡らしてゐた。
中や
表紙の図案を流用しながら、自分の意匠を加えて、画工に描き上げさせ、印刷屋に印刷させて、問屋の註文に応じていた。
金色の唐草模様か何かの
表紙の付いた六、七百ページの本であった。
僕はやはり木枕をしたまま、厚い渋紙の
表紙をかけた「大久保武蔵鐙」を読んでいました。
しかも、読んでいたのは笑わせることに、『ふところ日記八丁堀伝六』と
表紙にものものしい断わり書きの見えるとらの巻きなのですから、すさまじいのです。
宝相華と花喰鳥の図模様で飾られた
表紙を開くと、法水の眼は忽ち冒頭の一章に吸い付けられて行った。
銀行から歳暮によこす皮
表紙の懐中手帳に、細手の鉛筆に舌の先の湿りをくれては、丹念に何か書きこんでいた。
芭蕉も今日に生れたとすれば、やはり本文は九ポイントにするとか、
表紙の布は木綿にするとか、考案を凝らしたことであらう。
先生は、警抜な一章を読み了る毎に、黄いろい布
表紙の本を、膝の上へ置いて、ヴエランダに吊してある岐阜提灯の方を、漫然と一瞥する。