沖田総司は、枕元の刀を掴み、夜具を刎退け、病で
衰弱しきっている体を立上らせ、縁へ出、雨戸を窃と開けて見た。
ことに心臓が可なりに
衰弱して居て、一日も早く妊娠を中絶しなければ、母体がとても分娩まで持つまいと思われました。
東京の随所には敗残した、時代の遺骸の側に青い瓦斯の火が点り、強い色彩と三味線とに
衰弱した神経が鉄橋と西洋料理との陰影に僅かに休息を求めてゐる。
一度夢にした女が現実に現れるといふ、それ自体実際ありうべからざる怪談なので、何よりも、その現実に対する絶望の切なさに私は
衰弱したものだ。
殆んど食事をとらず、アルコールで生きているようなもので、そのくせ一時に大量は無理のようで、
衰弱しきっていたのである。
その中元来あまり健康でなかった彼の体力は、数回のインフルエンザの為めに、回復し難き迄に
衰弱し、かくて一八九二年、(明治二十五年)九月五日を以て帰幽した。
衰弱し切った病人が、医者の手から、突き放されて、死期を待っているように、どの家もどの家も、廃頽するままにまかせられているような気がしたのです。
色々の病気のために身体がいくらか
衰弱していますが、精神は生れて以来はじめて健康だと思っています。
その頃はもうずゐぶん
衰弱してゐたのだが、自分ではまだそれほどとは思つてゐなかつた。