この辺りにはついぞ
見かけぬ三人の若い男女が、赤外線写真のような裾野道をいくつかの荷物を提げながら辿り辿りやって来た。
「あれは東京からコースを西にとり、確かインドシナあたりまでは飛んでいるのを
見かけた者があるが、それっきり消息を断ってしまった、というのでしたね。
が、今度の本多少佐はただ食堂へ出る度に、禿げ鷹に似た顔を
見かけただけである。
のみならず二三度
見かけたところではどこかちょっと混血児じみた、輪廓の正しい顔をしています。
現に私も一両度、その頃奈良の興福寺の寺内で
見かけた事がございますが、いかさま鼻蔵とでも譏られそうな、世にも見事な赤鼻の天狗鼻でございました。
ところがそのすこしあと、葉子は全然別な角度から麻川氏を
見かけた。
おまえが敷島の道に心得があるたア、
見かけによらず風流人だよ。
「始めて侍従を
見かけたのは、——あれは何時の事だつたかな? さうさう、何でも稲荷詣でに出かけると云つてゐたのだから、初午の朝だつたのに違ひない。
もっとも、さっき甲板ではちょいと姿を
見かけたが、その後、君の船室へもサロンへも顔を出さなかったので、僕はもう帰ったのかと思っていた。