おなじ果物を運びながらも、東京の馬力では詩趣もない、
詩情も起らない。
それにも拘らず、この気持は心の奥にまだ錬りきれずにゐるのであらう、机に向ふと、やはり愚劣な
詩情を小説の中へしるしてゐることが多いのである。
今日の我々にとつて山と
詩情は、甚だ多く結びついてゐるのであるがこのやうな感情や感傷は、祖先達には殆ど無かつたことである。
四、佐藤の
詩情は最も世に云う世紀末の
詩情に近きが如し。
そして其書名「デモクラシイ」の語が余りに俗悪にして本書の内容と些しも共鳴せぬのみならず、吾等の
詩情にシヨツクを与ふること甚しきを訴へた。
われ等のこころの奥にさへ、優しき
詩情の痛み伝はりて、誦しゆく清興ゆたかなるを、遽かに激憤の声を聴けば、多恨悲愁の雲も彩みだれぬ。
ロシアの名女優、アラ・ナヂモバの異国的な情熱さと、東洋的な面ざしに僕は
詩情さえ感じたのである。