然うだ、死んだと言へば、生死の分らなかつた、お前の無事な顔を見た嬉しさに、張
詰めた気が弛んで落胆して、其つ切に成つたんだ。
縁を広く、張出しを深く取った、古風で落着いただけに、十畳へ敷
詰めた絨毯の模様も、谷へ落葉を積んだように見えて薄暗い。
それを越して眺められる町の屋根から空も、寒さに張り
詰めた息をすこし洩す緩やかな光が添った。
彼等の巨魁由井正雪は、既に駿府へ発した後で、牛込榎町の留守宅には佐原重兵衛が籠もっていたが、ここへ取り
詰めたのは堀豊前守で、同勢は二百五十人であった。
怒気と憂色とが顔にあり、思い
詰めたような格好である。
さうして東と北の二方の壁には、新古和漢洋の書物を
詰めた、無暗に大きな書棚が並んでゐる。
置棚には陶器、骨董品など、また見事な裝釘の書物を
詰めた小さな本箱が据ゑてある。