「時に御宅には
赤ちゃんがおありですか」と私はざっくばらんにたずねた。
こういってさわいでいるうちに、おぎゃあともいわずに
赤ちゃんが、それこそころりと、往来さきに、まるい石ころがころげ出すようにして生まれました。
そこでおじいさんとおばあさんは、あわててお湯をわかして、
赤ちゃんにお湯をつかわせて、温い着物の中にくるんで、かわいがって育てました。
ちょうど
赤ちゃんが、目が見えるようになって、ものを見て笑ったときのように、小さな花が道ばたで咲きました。
それから、かわいらしい
赤ちゃんをもってくるこうのとりのことを話しました。
これが何か男が姙娠するような、つまり
赤ちゃんを産めるのなら対等的な恐怖なんかないような気がするのでそんな気がするのです。
でもそのうち、とうとう信心のまことがとどいて、お妃に、ひいさまの
赤ちゃんが生まれました。