と叱るようにして促がすと、あんな妙なお雛様って——と一端は光子が、
邪気なく頬を膨らませてすねてはみたが、案外従順に、連れられるまま祖母の室に赴いた。
田植ゑ祭りに臨むさつきの神々なども迎へられ、季節々々の交叉期祭りには、
邪気退散の呪法を授けるか、受けるか分らぬ鬼神も来る様になりました。
蚤に小さい砲車を引かせたりして、ワーテルロー出陣の場面だなどと説明するのは、
邪気がなくておもしろい。
それが、顔全体を恐ろしくして見せるけれども、笑ふ時は
邪気ない小児の様で、小さい眼を愈々小さくして、さも面白相に肩を撼る。
仲の宜い二人は笑い合い、何んの
邪気も無く褒め合った。
色白で、細面ですらりとした瘠せ形で、どこかに、人の母となっても
邪気なさが漂っていた。