ここに
醜怪なる蝦蟇法師と正反対して、玲瓏玉を欺く妙齢の美人ありて、黒壁に住居せり。
彼は、もう一人の牝豚夫人という痴れものと、切るに切られぬ
醜関係を生じてしまったのだった。
希臘の賢人に
醜貌の人のあつたは誰も知つてゐる事です。
それは自然の美しさよりも寧ろ自然の
醜さを目のあたりに見せるばかりだった。
ただ新聞記者の業に在る者潜心校閲の暇なく、新聞紙を切り抜きたるままこれを植字に付したるは
醜を掩うあたわざるゆえんなり。
然れども彼の面の
醜なるを恥ぢずして、却つてこれを誇る者、渠等は男性を蔑視するなり、呵す、常に芸娼妓矢場女等教育なき美人を罵る処の、教育ある
醜面の淑女を呵す。
が、あれは余りまづすぎるので、人に買はれると、
醜を後世に残すから、わざと誰も買はないやうな、高い値段づけをつけたんだらうと推察した。
——大兵肥満で、容貌の
醜かつた津藤は、五分月代に銀鎖の懸守と云ふ姿で、平素は好んでめくら縞の着物に白木の三尺をしめてゐたと云ふ男である。
寧ろ一人の無辜を殺すも陸軍の
醜辱を掩蔽するに如かずと。
法利賽の徒と共に虚偽の生を営みて、
醜辱汚穢の沼に網うつ、名や財や、はた楽欲を漁らむとすなり。