鉢を差し出してやると、娘は嬉しそうに食べ、水を掬って来て飲ませると、娘はやっと元気を恢復した様子、そこで娘の身元ばなしが始まりました。
もし造上げましたる
鉢の花が、お客様お抜取りの籤の花と相応いたしてをりましたら、お手拍子御唱采の程をお願ひいたします。
すると向うから歩いて来たのは
鉢を持った一人の沙門である。
「やあ、お早う」と、裏庭の縁側で朝顔の
鉢をながめていた半七は見かえった。
そのなかでも評判になったのは五尺あまりの大兜で、
鉢も錣もすべて小銭を細かく組みあわせて作ったのでした。
鼈四郎は今度は匙をナイフに換えて、蔬菜の群れを
鉢の中のまま、ざっと截り捌いた。
「急に夏らしくなりましたね」と、老人は青々した小さい
鉢を縁側に置きながら云った。
——吾々は「扇を倒にした形」だとか「摺
鉢を伏せたような形」だとかあまり富士の形ばかりを見過ぎている。
狭い庭には縁日で買って来たらしい大きい
鉢の梅が、硝子戸越しに白く見えた。
そして解した髪の毛の先が触手の恰好に化けて、置いてある
鉢から菓子をつかみ、その口へ持ってゆこうとしているのです。