そしてただ
銘々の教養や勇気や楽天性によって自分がその受難者たることを避けるように心掛けるのが何よりであろう。
「お母親さん!」と声高に呼びかけた外には、乗合の人々は、
銘々に何かを考へてゐるらしかつた。
戦線に近いプルコウにある野戦病院の患者たちも、
銘々蘇ってきた春を、心のうちから貪り味わった。
つまり武家と公卿が各々、自分こそ此の大業の事実上の功労者であると、
銘々勝手に考え出して来た為である。
だが、要は、
銘々が成る可く、違つた香水を用ゐることだ。
岸に近い水中には小さい魚の子が泳いで、
銘々日光の影を持つて居る。
医師は医師で、産婆は産婆で、私は私で、
銘々の不安に捕われてしまった。
僕達は若い女の先生に連れられて教場に這入り
銘々の席に坐りました。