捕物帖には指紋や科学的な
鑑識は現れないが、推理やトリックの手法はドイルで、ドイルは捕物帖の祖であり、推理小説よりも捕物帖的である。
もっとも今の
鑑識科学というものが、どこまで正確なものか、これも素人には見当のつかないものである。
法医学だの
鑑識科学が発達していないから、真相を鑑定することができないのである。
少年期を出たばかりの
鑑識を、今更保持する自信も薄くなつたが、ともかくよい役者であつた。
いつの世においてもそうであるが、小説の
鑑識にかけては、作家や編集者や批評家よりも、読者の方が一層スマートである。
しかしながら、その仏蘭西劇の伝統を、特質を、完全に紹介し得たならば、日本の
鑑識ある好劇家は、決してその魅力に鈍感な筈はないのである。
万人の
鑑識に適ってこそ天下の名画と申すことが出来る。
新しい形式のみを讃めるということが強ち自己の
鑑識を高めるものではありません。