閑却せられて居た神人の力を、借りなければならぬ世になつたと言ふ事に気のついたのは、せめてもの事である。
換言すれば、この戯曲において初めて日本語となつた西洋戯曲の本質的リズムは、これまでのわが新劇においては、殆ど
閑却されてゐたのである。
さういふ研究は、これまでの「新劇」に於て、全く
閑却されてゐました。
この用意の欠如と工夫の
閑却は、延いて戯曲の、舞台の、「あんまり長すぎる」感じを与へる唯一の原因となるのである。
私達は二の膳につく鯛の吸ひものを
閑却して、この雜煮を幾椀も換へた。
さう男ぶりを
閑却するのは仏蘭西人たる大使にも気の毒である。
それでも照子は子供らしく、飾窓の中のパラソルや絹のシヨオルを覗き歩いて、格別
閑却された事を不平に思つてもゐないらしかつた。
現在の事情を明かにすることは勿論必要であるが、現在のみに即して長い過去を
閑却してはならぬ。
ある時代には人性のある点は却って
閑却され、それがさらに後にいたって、復活してくることは珍しくない。
全く今まで
閑却されてゐたのが不思議であつたくらゐ。