さまで重荷ではないそうで、唐草模様の天鵝絨の
革鞄に信玄袋を引搦めて、こいつを片手。
今朝、上野を出て、田端、赤羽——蕨を過ぎる頃から、向う側に居を占めた、その男の
革鞄が、私の目にフト気になりはじめた。
革を巻いた弓、黒塗りの箙、鷹の羽の征矢が十七本、——これは皆、あの男が持っていたものでございましょう。
待て駒下駄を穿かぬ先に忘れたる物多くあり、即ち、紙入、手拭、銀貨入、手提の
革鞄、扇となり。
汚れた黒い毛皮のコサック帽も、
革の長靴も、腰がだぶつき、膝がしまっている青鼠のズボンも、昔に変らぬものを、彼等は、はいていた。
おや、あの菖蒲
革の莨入は、どこへ忘れて御出でなすつた?
まして岸を行く往来の人々は、丸頭巾をかぶつたのも、
革足袋をはいたのも、皆凩の吹く世の中を忘れたやうに、うつそりとして歩いて行く。
それらの貢を運ぶ舟は、絹や毛
革や玉と共に、須賀の宮を仰ぎに来る国々の民をも乗せてゐた。
父も祖父も、あまつさえ義兄弟まで、つまりバシマチキン一族のものといえば皆が皆ひとりのこらず長靴を用いており、底
革は年にほんの三度ぐらいしか張り替えなかった。