蚕にも此意味があるのかも知れぬが、此は姑く、昔からの「飼ひこ」として
預けて置かう。
かの女は女学校を卒業して親の家で結婚前の生活をしてゐる期間に、望まれて父親の知合ひで郊外に隠寮を持つ退職官吏Yの家へ客分として
預けられることになつた。
博士は、ちょうどドイツ軍がオランダに侵入したことが放送された直後、われわれ二人をよんで、その二つの黒い筒を
預けたのだった。
杜先生は、この女学校に赴任して間もない若い理学士だったが、このクラスを受持として
預けられたので、やむを得ずその演出にあたらねばならなかった。
これより上へは立てないので、ここまで連れて来た女親が、わりのう
預けて行ったものらしい……敢て
預けて行ったと言いたい。
晴賢が、義隆を殺した以後二三年間は無事に交際していたのだが、元就が攻略した尼子方の備後国江田の旗返城を陶が毛利に
預けないで、江良丹後守に
預けた。
私達の家に山陰の名門に育てられた男の兒兄弟が
預けられた。
楊博士は、釣糸をトマト氏に
預けて、馬の腹がけのように大きい書面をひらいて、その中に顔を埋めた。
平素ですら男の奉公人だけでも、大番頭から小僧まで入れて、都合六人のものが口を
預けている。