恁ういふ心掛では、書物を読まなくても頭脳が活溌に働く若い時代は好いが、三十となり四十となればドシ/\時代に
遅れて了ふ。
存外
遅れずにすんだものだ、——中村はこう思ううちにも、ほっとすると言うよりは損をした気もちに近いものを感じた。
「申し
遅れましたが、私は中村玄道と申しますもので、やはり毎日先生の御講演を伺いに出て居りますが、勿論多数の中でございますから、御見覚えもございますまい。
が、娘の方は、母親の手前をかねるので、ややもすると、
遅れやすい。
「じつあそいつに
遅れちゃなるめえと思って、ちよっとその質屋へね」
ところがけさ宿をお出かけのとき博士が急病になられて、乗船がこんなに
遅れたというわけなんで」
今迄ほゞ千回の連絡をとったうち、(それが全部街頭ばかりだったが)自分から
遅れたのはたった二回という同志だった。
が、時勢にも
遅れ勝ちな、昔気質の人だつたから、官も兵部大輔より昇らなかつた。
最早処女の盛りを思わせる年頃で、背は母よりも高い位であるが、子供の時分に一度煩ったことがあって、それから精神の発育が
遅れた。