平七は、ぼんやりとした
顔つきで、ふらふらと土手を下へ下って行くと、吾妻橋の方へ曲っていった。
少年はなぜこれが早く判らなかったのだろうという
顔つきをして、嬉しそうに箸を取り上げる。
子供達は、言葉がうまく通じないなりに、松木に憐れみを求め、こびるような
顔つきと態度とを五人が五人までしてみせた。
その上また、身ぶりとか、
顔つきとかで、人を笑わせるのに独特な妙を得ている。
が、これは眼の小さい、鼻の上を向いた、どこかひょうきんな所のある老人で、
顔つきにも容子にも、悪気らしいものは、微塵もない。
其月は無言で二枚の短冊を惣八のまえに押し戻すと、その
顔つきで大抵察したらしく、惣八は失望したように云った。
店員が新しくそこに並べ直したがらものの中から、緞子のすばらしい一本を選び出すと、宝の小づちを背負ってでもいるような
顔つきで尋ねました。
けれどもいつにないまじめくさった
顔つきをして頭を横に振った。
彼はまず味方の
顔つきをよく見てから、それを敵方の一人一人の
顔つきと念入りに比較する。
改札はばかになったような
顔つきをしながら、それでもおめおめと切符に孔を入れた。