こんな事をするのは軍艦に乗つてから、まだ始めてでしたが、ビイムの裏を探すとか衣嚢をのせてある棚の奥を
かきまはすとか、思つたより、面倒な仕事です。
天婦羅だけでは立ち行かぬから、近所に葬式があるたびに、駕籠
かき人足に雇われた。
しきりに、漆黒の髪が額に垂れ下るのを、細い手で
かき上げるのが、なんとはなしに美しかった。
あまり倦みたれば、一ツおりてのぼる坂の窪に踞ひし、手のあきたるまま何ならむ指もて土に
かきはじめぬ。
その社殿に一つの古い絵馬が懸けてありまして、絵馬は横幅が二尺四五寸、丈が一尺三四寸で、一羽の白い鷹を
かき、そのそばに慶安二二と書いてあります。
描きさしの画の傍に逸作は胡坐を
かき、茶菓子の椿餅の椿の葉を剥がして黄昏の薄光に頻りに色を検めて見ていた。
そんな時の私達は、きっと、襟を
かき合わせ、眉を寄せて寒空を見上げているに相違ありません。
質の好い鰹ぶしを濃かにかいて煮だし汁をとり、それよりもなほ一層濃やかに細い花瓣を盛つた樣に
かき重ねた鰹魚ぶしをその煮だし汁に一つまんまるく落した餅の上に積む。
かきのけても
かきのけても容易に火の燃え立って来ないような瞬間には私はみじめだった。