其処は三角定規の斜辺についてすこし昇ったようなところで、僕の眼の高さと同じ位のところに、下から数えて五六段目の階段が横から
すいてみえているのであった。
ケーは壊れかかった黄色な土のへいについて歩いたり、破れた戸の
すきまから中のようすをのぞいたりしました。
小鳥は、娘の手とかごの入り口のところに
すきまのあるのを発見しましたので、すばやく身をすぼめて、ついとそこから、外に逃げ出してしまいました。
休憩の時間を残しながら席に帰った私は、
すいた会場のなかに残っている女の人の顔などをぼんやり見たりしながら、心がやっと少しずつ寛解して来たのを覚えていた。
一人坊っちになるとそろそろ腹の
すいたのを感じだしでもしたか、その子供は何の気なしに車から尻を浮かして立ち上がろうとしたのだ。
その「
すいは」と云ふのはここに云ふすかんぽではない。
天幕の
すきまからはいつてくる風にあおられて波のようにうねる映写幕には日露戦争の実況(?)が写つていた。
川をはさんだ山は紅葉と黄葉とに
すきまなくおおわれて、その間をほとんど純粋に近い藍色の水が白い泡を噴いて流れてゆく。
昔は天主閣の建っていた所が平地になって、いつしか姫小松まばらにおいたち、夏草
すきまなく茂り、見るからに昔をしのばす哀れなさまとなっています。
まるで理屈の根本が違って来たじゃないか、——やっぱりわしをかせがすつもりサ……とまで考えて来た時、老人はちょうど一本の煙草を
すい切った。