立て込んだ客の
隙間へ腰を割り込んで行くのも、北新地の売れっ妓の沽券に関わるほどではなかった。
川筋には青い蘆が、
隙間もなくひしひしと生えている。
その内に雌蜘蛛はある真昼、ふと何か思いついたように、薔薇の葉と花との
隙間をくぐって、一つの枝の先へ這い上った。
蝶はその生垣の
隙間から流れ込んで、墓場の暗い方へ影をかくした。
時どき柱時計の振子の音が戸の
隙間から洩れてきこえて来た。
梢の
隙間を洩れて来る日光が、径のそこここや杉の幹へ、蝋燭で照らしたような弱い日なたを作っていた。
すると猫は大胆にも枕の上へあがって来てまた別の
隙間へ遮二無二首を突っ込もうとした。
隙間なく水の面を被っている、彼らのかさなりあった翅が、光にちぢれて油のような光彩を流しているのだ。
そればかりでなく、我々が人生について、宗教について、恋愛について考え始めると、癩はいつも思考の
隙間隙間へ忍び込んで、だまって首を振っているようになった。