こう言って、かれらは殿堂のなかに閉じ籠ったが、それから六日のあいだ、堂内はひっそりしてなんの
物音もきこえないので、寺の僧等も不審をいだいた。
「あっしにァ、あの
物音が、どこから起るのか、ちゃんと見当がついてるのでサ」
物音にすぐ眼のさめるおかあさんも、その時にはよく寝ていらっしゃいました。
この
物音に眼をさました冠蔵は、自分のとなりに紋作の寝ていないのを怪しんで、これも蚊帳をくぐって出てみると、紋作は煙管をにぎって果し眼で突っ立っていた。
若い料理教師の鼈四郎は椅子に踏み反り返り煙草の手を止めて戸外の
物音を聞き澄ましている。
夜は屋の外の
物音や鉄瓶の音に聾者のような耳を澄ます。
戸外では生活の営みがいろいろな
物音を立てているのに、清逸の部屋の中は秋らしくもの静かだった。
ただ夜中になって変てこな
物音をたてる生物になってしまったのである。
それも一つには、あたりが極端な静けさを保っているために、ほんのわずかな
物音も物珍らしいリズムをさえ伴って聞かれるのである。