お蓮は酒臭い夜着の襟に、冷たい頬を埋めながら、じっとその
響に聞き入っていた。
誰でも帳中に入ろうとすれば、帳をめぐった宝鈴はたちまちけたたましい
響と共に、行長の眠を破ってしまう。
その中でただ、窓をたたく、凍りかかった雨の音が、騒々しい車輪の音に単調な
響を交している。
あれだけにしつかり物を見る眼があつて、自己への徹底が強い
響を傳へるのだなといふことを首肯させる。
奥の方なる
響動の劇きに紛れて、取合はんともせざりければ、二人の車夫は声を合せて訪ひつつ、格子戸を連打にすれば、やがて急足の音立てて人は出で来ぬ。
「唐松」という名高い並木は伐倒される最中で、大木の横倒になる音や、高い枝の裂ける
響や、人足の騒ぐ声は戦闘のよう。
彼我共に無煙火薬ではあるし且石炭も純良な英炭を使用するから硝煙煤煙は左のみ烈しくはないがその爆声の凄じい事天地振動する様な
響である