その店は入口が帳場になつてゐて、そこを通り
ぬけると中庭がある。
後ろからさつさと通り
ぬける制服制帽の大学生が二人。
何しろエンジンとエンジンの間をぬけ、防水扉のところで頭を打ちつけそうになるのをヒョイとかがんで走り
ぬけるのですから大変です。
風は門の柱と柱との間を、夕闇と共に遠慮なく、吹き
ぬける。
松林を
ぬけると本沢、二ノ沢、一ノ沢を集めた大きな谷をへだてて、鍋冠山が雪をかぶって、層をなした雪は実に綺麗に積っていた。
風は門の柱と柱との間を、夕闇と共に遠慮なく、吹き
ぬける。
けれども、プラトオクに頭をくるんだ牛を追う女は、馬が自分の傍を通り
ぬける時、なつこい声をかけた。
この陰鬱なところから、私は
ぬけ出ることが出来ないのだ。
家を出て椎の若葉におおわれた、黒塀の多い横網の小路を
ぬけると、すぐあの幅の広い川筋の見渡される、百本杭の河岸へ出るのである。
蝦夷富士といわれるマッカリヌプリの麓に続く胆振の大草原を、日本海から内浦湾に吹き
ぬける西風が、打ち寄せる紆濤のように跡から跡から吹き払っていった。