博士は年はもう五十二だが、我々を
凌ぐほどの元気で、身体にどこ一つ故障のない素晴らしい健康体なのだ。
そうして、シトロエンの探検隊がこれからゆこうという場所が、いかにそれらさえも
凌ぐ超絶的な地位にあるかということを、読者諸君にはっきりと知って貰おう。
小間物店の若い娘が、毛糸の手袋嵌めたのも、寒さを
凌ぐとは見えないで、広告めくのが可憐らしい。
寒さを
凌ぐ方は、軍用機その他でも既にやっていることだから、さまでむつかしい問題ではない。
かれらは夜寒を
凌ぐために焚き火をして、その煙りに窒息したのではないかともおもわれたが、ふたりは松葉などを燃やした覚えはないと云い張っていた。
まったく、こうして佇んだ数秒間さえなければ、かの怪奇の点では奥アマゾンを
凌ぐといわれる、水棲人のすむあの秘境へはゆかなかったろうに。
天下の衆生をして悉く愛山生の如き平民論者ならしめば、山東家の小説は凡ての他の小説を
凌ぐことを得べきこと必せり。
凌がるゝ人は
凌ぐ人よりも真に愚かなりや、恨まるゝ天は恨む人の心を測り得べきや。
本多子爵によれば、体格も西洋人を
凌ぐばかりで、少年時代から何をするのでも、精力抜群を以て知られてゐたと云ふ。
「講釋」に思想と考證とを入れたゞけの大衆物を感心する以前に、私などは、やはり情熱を以て、さうした作家を
凌ぐ名人の講釋を多く聽いてゐる。