ドイツの暗澹たる雪空をのがれ、太陽をもとめて伊太利へ馬車を急がせた
ゲーテは、然し恐らく太陽を異国の空のものとしてもとめてゐたとは思はれない。
それについて、
ゲーテだつたと思ひますが、次のやうな言葉があります——「何事かを成さんとすれば、まづ何者かでなければならぬ」
それについて、
ゲーテだつたと思ひますが、次のやうな言葉があります——「何事かを成さんとすれば、まづ何者かでなければならぬ」
ゲーテがシェクスピアの作品に暗示を受けて自分の傑作を書きあげたように、個性を尊重する芸術に於てすら、模倣から発見への過程は最も屡々行われる。
ゲーテ、イプセン、ドストイエフスキイなどの演じた役割を、諸君も亦演じて見たいのか。
ゲーテを読み、シーボルトを読み、スウェン・ヘディンを読んだ。
一人の
ゲーテが、ドイツ全土の賞賛に浸っている脚下に、幾人の無名詩人が、平凡な詩作に耽ったことだろう。
その詩や、ハイネ、
ゲーテの訳詩に感心したのでもない。
独逸語には、〔Abendro:te〕 があり、ゆふべの 〔Da:mmerung〕 があつて、
ゲーテでもニイチエあたりでも、実に気持よく使つてゐる。
自ら挙げた七人のペルシア詩人中の一人で、十四世紀に生きていたハーフェズのペシミズム溢れる抒情詩から、
ゲーテは多大の影響を受けたと言われている。