それは『日本風景論』の著者志賀重昂先生で、この
一文から、私という人間に目をとめられた。
「しかし、われわれは画料を
一文も頂戴しないのですから、もしお気に入らなかったならば、壁を塗り換えるだけのことで、さしたる御損もありますまい」
これは博士の書斎にある書類棚の、原稿袋の中に保存せられていたもので、後日これを発見した人々の間に問題となった
一文である。
即ち、私が通帳を無くしたために、元帳にある記帳漏れが判ったことになり、私は
一文も損をしなかったのである。
学問智識は富士の山ほど有ツても麺包屋が眼には唖銭
一文の価値もなければ取ツけヱべヱは中々以ての外なり。
ましてとうとう三年目の春、又杜子春が以前の通り、
一文無しになつて見ると、広い洛陽の都の中にも、彼に宿を貸さうといふ家は、一軒もなくなつてしまひました。
敬愛する吉村さん——樹さん——私は今、序にかえて君に宛てた
一文をこの書のはじめに記すにつけても、矢張呼び慣れたように君の親しい名を呼びたい。