黙って頷いた陳の顔には、その上今西に
一言も、口を開かせない不機嫌さがあった。
それから
一言の挨拶もせず、如丹と若い衆との間の席へ、大きい体を割りこませた。
と同時にまた別荘番が
一言もこの客来を取次がないのも不審だった。
綱利は彼の槍術を賞しながら、この勝負があった後は、甚不興気な顔をしたまま、
一言も彼を犒わなかった。
自分たちは外套の肩をすり合せるようにして、心もち足を早めながら、大手町の停留場を通りこすまでは、ほとんど
一言もきかずにいた。
永年の交際において、私は氏がその任務をはずかしめるような人ではないと信じますから
一言します。
一言すれば、彼等は武士たるの実力をすてて、武士たるの虚名を擁したりき。
此莊園でラクダルはゴロリと轉がつたまゝ身動もろくに爲ず、手足をダラリ伸したまゝ
一言も口を開かず、たゞ茫乎と日がな一日、年から年中、時を送つて居るのである。
何がさて萬金尚ほ易じと愛惜して居る石のことゆゑ、雲飛は
一言のもとに之を謝絶して了つた。
ただおばあさまがぼくに
一言も物をいわないのが変だった。