神代ながらの俤ある大天井、常念坊、蝶ヶ岳の峰伝いに
下りて来た自分は、今神河内の隅に佇んだ。
下りては来ましたが、つい先刻まで一緒にいた人※がもう訳も分らぬ山の魔の手にさらわれて終ったと思うと、不思議な心理状態になっていたに相違ありません。
彼はすぐに立ち上ると、真鍮の手すりに手を触れながら、どしどし梯子を
下りて行った。
乗った時と同じように、こみあっている中をやっと電車から
下りて停車場へはいると、時刻が早いので、まだ級の連中は二三人しか集っていない。
日蔭ではよぼよぼとしている彼らは日なたのなかへ
下りて来るやよみがえったように活気づく。
二三日前、俺は、ここの溪へ
下りて、石の上を伝い歩きしていた。
あツといふ間のことで、よき獲物ござんなれと、上の方にゐて狙つてゐた蜘蛛がするすると
下りて来る間もなく、蜘蛛もあつけに取られた形だつた。
小諸の荒町から赤坂を
下りて行きますと、右手に当って宏壮な鼠色の建築物は小学校です。
高く薄暗い灰色の壁に添うて、用事ありげな人々と摩違いながら、長い階段を
下りて行った。
それから何故か思ひついたやうに、白い襟飾へ手をやつて見て、又菊の中を忙しく玄関の方へ
下りて行つた。