「時によりますと夜、あなたが秦皮樹の杖を持つて、本をよんでお出になりますと、私は戸の外に
不思議な物を見ることがございます。
伝吉は死骸にとりすがったなり、いつまでも一人じっとしていたが、涙は
不思議にも全然睫毛を沾さなかった。
その声もまた
不思議にも清太郎の声ではないかと思うくらいである。
が、何のために船へ乗ったか、
不思議にもそれは覚えていない。
(僕はこの侮辱を受けた時に急に不快にならないことをいつも
不思議に思っている。
しかしその欲のないのも感心だから、ほかにはまたとないような
不思議な犬をくれてやろう。
その
不思議がる心の中には、妙に嬉しい感情と、前とは全然違つた意味で妬ましい感情とが交つてゐた。
不思議な事に、さうするや否や、先生の思量は、ストリントベルクを離れてしまふ。
有位無位、併せて二十人に近い下役さへ、彼の出入りには、
不思議な位、冷淡を極めてゐる。