その癖、ちょいとした
事には、器用な性質で、流行唄と云うようなものは、一度聞くと、すぐに節を覚えてしまう。
「すると、英雄の器と云うのは、勘定に明いと云う
事かね。
が、そうならなくとも亦必ずしも満足でない
事はない。
「——もう今日かぎり御姉様と御一しよにゐる
事が出来ないと思ふと、これを書いてゐる間でさへ、止め度なく涙が溢れて来ます。
僕の心臓は瑣細な
事にあつても氷のさはつたやうにひやひやとしてゐる。
翁曰、これ卑しき心より我上手なるを知られんと我を忘れたる名聞より出る
事也。
彼等は彼女を迎へると、小鳥のやうにさざめき立つて、口口に今夜の彼女の姿が美しい
事を褒め立てたりした。
一切の塵労を脱して、その「死」の中に眠る
事が出来たならば——無心の子供のやうに夢もなく眠る
事が出来たならば、どんなに悦ばしい
事であらう。