土地
不案内の旅行者にこれほど心強いことはないのである。
過去の文士の論争がどんな風に行われたかということについて私は
不案内であるが、佐藤春夫、河盛好蔵両先生の大論争には新時代風があると思った。
ましてその方面の歴史的或は科学的知識に至つては、猶更
不案内な人間である。
この鈴木君は大きな蜜柑山の主で、なかなかしつかりした歌は詠むが、借家のことには一向
不案内であることがわかり、私は二重に悪いことをしたと思つた。
森おじさんは僕たちに向い、さぞお前たちは土地
不案内で困るだろうし、また島にいま適当な家も空いていないことだから、とりあえず自分の邸にくるがいい。
さうかと言つて、日本の田舎言葉はこつちが
不案内である。
殊に大阪のことは、全く
不案内ですから、次に述べることは、東京だけのことゝ思つていただきます。
土地
不案内な私達は、ゆく先で讀みにくい地名に逢つた。
「匁という文字の意義でござるか? いやいや拙者
不案内でござるよ」
さうかと云つて、何と呼ぶべきかは自分も亦
不案内である。